「小坂の滝めぐり」あふれる自然と戯れる
2020年オープンの自然と共生した循環型施設「小坂なリバーベース」で、目の前に流れる川を眺めながら、小坂の魅力をたっぷり教えていただきました。
<この記事は、(株)岐阜新聞社と岐阜県観光連盟との共同企画で制作しました。>
訪ねた人:熊﨑潤さん
シャワークライミングを始めとした数々のプログラムを企画・運営。中部山岳を中心に、沢登りや雪山などのガイド経験も豊富。合同会社216WORKS代表、「小坂なリバーベース」を2020年に開業。
自然の壮大さと水の恵みを体感できる場所
JR下呂駅から温泉街を抜け、さらに北へ車で約30分。そこに「日本一滝の多い町」、下呂市小坂町があります。
「国道から外れ、進んだ先は行き止まり。隔絶されているんだけど、適度に家があって自然の奥深さも感じられます」
地元のガイドの熊﨑潤さんは、生まれも育ちも小坂という生粋の小坂っ子。滝と山の楽しみ方を知り尽くしていて、熊﨑さんのSNSには、いつも美しい小坂の滝が写っています。
冒険の入り口で溶岩の絶壁がお出迎え
自宅にあった小坂の滝の写真集が子どものころから大好きで、いつも沢で遊んでいたという熊﨑さん。もっと奥深い滝に行きたくて、山歩きの技術を磨いたそうです。
「小坂の滝めぐり」に入る森の入口には「巌立峡(がんだてきょう)」という約5万4千年前の噴火によってできた壮大な溶岩の絶壁が出迎えてくれます。
最多の滝と四季の表情を楽しむ
夏にはシャワークライミング、秋は落ち葉の絨毯(じゅうたん)の上でカフェを楽しみ、真冬には滝が凍り付いた「氷瀑(ひょうばく)」を見ることができる「小坂の滝めぐり」は、県が認める「岐阜の宝もの」第1号に認定されています。
たっぷりのマイナスイオンと森の香りを感じて
森へ入るとサーッと滝が流れる音が聞こえ、水分を多く含んだ空気にはかすかに森の香りを感じ、マイナスイオンを浴びている感覚に。初心者が歩きやすいように遊歩道が整備されているので、足元に気をとられることなく風景を楽しむことができます。
水の惑星が生んだ、表情豊かな滝との出会い
出会う滝の表情はさまざまで、ゴーゴーと音を立てて流れるパワフルな滝、スーッと滝つぼに吸い込まれていくような神秘的な滝、岩肌をサラサラと優しく流れる滝。滝つぼは翡翠(ひすい)色に輝き、場所によってその色を変えます。
日本一滝の多い場所は、自然が生み出した壮大な水の恩恵や、地球が「水の惑星」といわれていたことを語りかけています。
新たな拠点、川のほとりでサスティナブル
2020年、川をテーマにした新たな体験施設「小坂なリバーベース」が完成しました。「小坂な」は「お魚」に掛けていて、小坂淡水魚養殖漁業協同組合の敷地裏に建つ古民家が拠点です。この漁協では川から水を引いてイワナやアマゴ、ニジマスを養殖しています。成長しすぎて加工に向かなくなった魚などを、敷地内の釣り専用池に入れて、観光客はその池で釣りを楽しみ、釣った魚は漁協の加工場が捌いて塩焼きに。
循環型のアクティビティを心で体感
「内臓は養殖用の魚のエサとなるので、捨てるものが出ない。まさに循環型のアクティビティです」。
古民家の裏手には透き通った川が流れ、庭先には小さな森に囲まれた1組限定のキャンプサイトが。養殖の魚を狙って飛んでくる野鳥のさえずりをBGMに、人と自然が共生する循環の楽しみ方を体験することができます。
地元の人たちが織りなす、居心地のいい世界観
「地元の人びとに支えられています」と熊﨑さん。
森の中でハンモックを吊るしてスイーツを味わう「カフェトレッキング」は、下呂市萩原にあるケーキ店「siegfrieda(ジークフリーダ)」の店長が趣味で始めたものの発展型。また小坂なリバーベースのランチメニュー・フィッシュバーガーのバンズは、JR飛騨小坂駅前の小さなパン屋「ひこまさ」が作っています。このパン屋の店主さんはなんと70歳でお店を構え、さらに熊﨑さんが子どものころ夢中になった小坂の滝の写真集に携わっていた方。
「出会える人も含めて、小坂の魅力。滝、巌立峡、全国でも希少な天然炭酸泉。どれも月並みなものがない。狭いけれど特別な小坂の世界観に、どっぷりはまってほしいですね」。
旅のメモ
四季折々に楽しめる「小坂の滝めぐり」で自然を満喫!
初心者向けから上級者向けまで、豊富なコースから気分や体調に合わせて、あなたにぴったりなコースを探してみませんか。