つるつる美肌湯と温泉グルメ散歩【下呂温泉】
白鷺が教えてくれた美肌の名湯
まずは、日頃の疲れを癒やしに温泉へ。
共同湯「白鷺の湯」(しらさぎのゆ)は、大正15年から続く共同浴場で、ロマンティックな洋館の建物です。
施設前には足湯もあって、ビーナス像をぐるりと囲んで浸かります。共同湯の温泉に入るまでの展開がワクワク。
2階の脱衣場から舞踏会に向かうかのような階段を下るとヒノキの湯船の温泉が待っています。
とろんとろんの湯の感触にうっとり。
湯船の中で循環し、湯口からは源泉が大量に注がれていて気持ちいい内湯です。
泉質はアルカリ性単純温泉、pH9.1で、せっけんのように肌の古い角質や汚れを落としてなめらかに整える美肌湯です。
下呂市名産フルーティなトマトのパスタ
ランチは、ミシュランガイド掲載店のラ・ヴィータ エ ベッラへ。
お目当てはフレッシュトマトのパスタ、下呂市はトマトの名産地なのです。
真っ赤なトマトがたっぷりのって、パスタが隠れてしまうほど。
フルーティなトマトが口の中ではじけてフレッシュな甘さが広がります。
イタリア直輸入の水牛のモッツアレラチーズが濃厚でクリーミー、アルデンテのスパゲティーに絡んで、たまらなく美味しい。
趣の異なる大浴場をめぐって楽しむ
今宵の宿は「水明館」です。館内には大浴場が3か所もあって、
湯量たっぷりの下留の湯は、天井も壁も柱までも贅沢なヒノキ造りで気持ちいい。
奥にはヒノキの湯船もあって、とろとろ温泉を満喫。
下呂温泉が見渡せる展望大浴場や秘湯の雰囲気がある野天風呂もあって、pH9.3のアルカリ性単純温泉のつるつる美肌の湯をたっぷり楽しみました。
飛騨の木材を取り入れた飛泉閣の和洋室は、
飛騨の味覚も満喫できるヌーベルシノワ
夕食は、館内のヌーベルシノワ(中華料理)の龍遊里へ。
広東料理がベースなのですが、地元食材や地元野菜が満載。
フカヒレの姿煮入りスープは飛騨野菜と一緒に、スペシャリテの北京ダック・龍遊里特製点心は地元の味噌で作った特製の甜麺醤で深みのある味わい。
メインは、飛騨牛の中華風ステーキ。
とろける飛騨牛の甘味とチャイニーズソースが、これまで食べたことのない新鮮な美味しさです。
香り高い飛騨山椒の麻婆豆腐
最後に登場した下呂の匠・麻婆豆腐に感激。
そう、飛騨山椒という極上スパイスがあったのです。
香りたつ飛騨山椒を効かせた麻婆豆腐の美味しいこと、美味しいこと。
つやピカの釜土炊き飛騨コシヒカリにオン・ザ・ライスで、我を忘れて完食してしまいました。
夜のお散歩と花火
12月から3月まで、毎週土日は、夜10分間花火があがります。
冬花火はこの10分がちょうどよく楽しめます。
橋まで散歩して花火を眺めて、宿へ戻って温泉へどぼん。
夜まで楽しい下呂温泉でした。
噴泉池で下呂温泉のピュアな個性を楽しむ
下呂温泉名所の「噴泉池」へ。
開放的な河原の露天風呂で石に腰かけて足湯を楽しみます。
加温・加水なしの源泉かけ流し。
毎朝お湯を抜いて清掃し、新鮮な源泉を注でいるので、ピュアな温泉の個性を感じることができます。
笑ってしまうほど、とろとろつるつるの感触。
お湯から上がる時に、自分の肌にまとわりついた温泉で川石がすべって歩くのが大変なほどです。
ひざ下の肌がすべっすべで景色が映りそうです。
温泉好きが集まる博物館
下呂発温泉博物館は、温泉好きにはたまらない場所。
新旧あらゆる温泉の資料が並ぶ図書コーナーや、泉質ごとに分けられた温泉玉手箱を開けると、全国各地の温泉グッズや温泉水が貯蔵されていたりして。
何時間あっても足りないくらいオモシロイ。
実験して楽しめるコーナーでは、日本有数の酸性泉・草津温泉の湯と、pH9.1のアルカリ性泉の下呂温泉の湯をリトマス試験紙で測り比べができます。
店内の工房で手作りする可愛いプリン
ケロリンの桶が並ぶ銭湯のような店内。ではありません。
「下呂プリン」は、風呂椅子に腰かけて味わう湯の町スイーツです。
下呂プリンは地元の下呂牛乳を使用。
まろやか、レトロ、メロンソーダ、珈琲ゼリー、抹茶、苺などバリエーション豊か。
あれこれ悩んだ末に、マダガスカル産のバニラビーンズを贅沢に使用という説明に魅かれ、下呂プリン(まろやか)と、大人の味わい下呂プリン(珈琲ゼリー)をお土産にしました。
- 旅人・石井宏子さん
- 旅行作家・温泉ビューティ研究家。日本・世界の温泉を旅して取材執筆、テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅を研究。ごほうび温泉宿から秘湯の宿まで、いい湯を求めて一年の半分を温泉旅で過ごしています。