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とろりとした癒し湯と町並みの賑わい【高山温泉】

にぎやかな商店街や古い町並みの散策が楽しい飛騨高山にも温泉に入れる宿があります。
温泉宿に泊まり、ゆっくりと元気を蓄えて、高山の町散歩に出かけます。肌も心も癒されるやわらかな温泉と、好奇心を満たす街並み散歩の旅です。
とろりとした癒し湯と町並みの賑わい【高山温泉】

とろりとした温泉に身も心も癒されて

高山温泉は、利用している源泉が施設によって異なりますが、とろりとしたナトリウム・炭酸水素塩泉が多く、肌の汚れや古い角質を落としてなめらかに整える美肌温泉です。

今回の宿『花扇別邸いいやま』は、敷地に自家源泉を所有しています。入った瞬間に、つるつるとろとろの感触に包まれる心地よい温泉です。泉質はナトリウム・炭酸水素塩冷鉱泉。pH6.9中性、源泉温度は24.8℃で加温循環ですが、加水はなし。成分総計は8.332g/kgあり、よく温まる温泉です。

雰囲気のある露天風呂と、内湯は80センチの深さがあり、首まですっぽり浸かって温泉を満喫できます。

飛騨の森にいるような木造りの宿

お屋敷のような門をくぐって玄関を入ると太い梁が印象的な吹き抜けのロビー。けやきや杉などの巨木を組んだ合掌造りで、飛騨高山ならではの木をふんだんに使った空間です。

ここでお抹茶と大女将特製のお菓子をいただいていると、巨木の森にいるような温かみを感じます。

温泉別荘気分の静かな一夜

大浴場の温泉に入ったり、部屋の温泉に入ったり、湯上がりは、縁側で休んだり、飛騨家具の椅子に腰かけてみたり。高山の町の賑わいとは隔絶されて、温泉別荘で過ごすような静かな時が流れていきます。

体も心も元気になる飛騨牛の実力

高山でのお楽しみのひとつは、やっぱり飛騨牛。名物の飛騨牛ステーキの迫力に思わず「これ、ひとり分ですか?」と、顔がほころんでしまいます。


程よく焼けたらレモンをきゅっと絞って塩で味わうと、肉の甘みがふわっと天まで昇っていくようです。

写真に収めたくなる古い町並み

何度訪れても、やっぱりこの道を歩きたくなる「飛騨高山の古い町並み」。

国選定の重要伝統的建造物群保存地区になっています。城下町の中心となった商人の町で、両側に軒を連ねる店に心奪われて時の立つのも忘れてしまいます。

憧れの組紐(くみひも)で無の境地?!

組紐づくりの体験ができる「飛騨高山まちの体験交流館」へ。

『飛騨高山の六つ組』という独自の技法は、飛騨木工の職人が作る丸台を使います。好きな色を選んで交互に糸を組み一心不乱に熱中。15分ほどの体験なのですが無心になれました。

飛騨家具の店で木の温もりに触れる

もうひとつの目的は飛騨家具。いつかは家に置いてみたいと思う日本の工芸美です。

高山の本町商店街にある「kita kita shop」は北々工房直営の店。テーブルセッティングがされていて、「このまま家にあったら、毎日が豊かになりそう」などと想像が広がります。

創業以来の味を守る飛騨中華そば

町ぶらのランチは、やっぱり高山ラーメン。人気店がたくさんあるのですが、今回は飛騨中華そば一筋の「つづみそば」へ。昭和31年創業以来の味を守り続け、メニューは中華そば、チャーシュー麺、ワンタン麺のみ。水以外の飲み物(酒・ビールなど)は出さないという正統派飛騨中華そばのお店です。

澄んだ醤油スープに極細ちぢれ麺、ちゅるちゅるのワンタンにコリコリとしたメンマ。スープが美味しい。魚介系と豚骨と鶏と野菜と、色々な旨みのハーモニーが絶妙。チャーシューの旨みがだんだんとスープに溶けこんで最後まで飲み干してしまいたくなります。

旅人・石井宏子さん
旅行作家・温泉ビューティ研究家。日本・世界の温泉を旅して取材執筆、テレビにも出演。温泉・自然・食で美しくなる旅を研究。ごほうび温泉宿から秘湯の宿まで、いい湯を求めて一年の半分を温泉旅で過ごしています。