高山陣屋前朝市
素朴な飛騨ことばを聞きながら買い物が楽しめます
高山陣屋の正面広場に広がる「陣屋前朝市」。地元農家の人々が丹精込めて育てた新鮮な野菜や山菜、果物、そして手作りの漬物や味噌などが並び、往時の面影を残す高山陣屋を背景に、活気ある商売の風景が繰り広げられます。
1.歴史と起源
高山の朝市全体の起源は、文政3年(1820年)頃、高山別院を中心に開かれた桑市として栄えたことに遡ります。養蚕業の不振後、明治27年(1894年)6月18日からは、自作の野菜や花などを売る野菜市が始まりました。この野菜市は、当初高山別院境内にありましたが、文久2年(1862年)頃までには場所を移転し、慶応3年(1867年)頃には中橋などで開かれるなど、変遷を重ねました。大正11年(1922年)に朝市の中心が高山陣屋前に移ってからは、昼夜問わず野菜市が開かれるようになり、昭和初期までは夜市としても賑わいを見せていました。しかし、第二次世界大戦中の灯火管制により夜市は姿を消し、終戦後、現在の午前中に開催される朝市の形となりました。
高山陣屋という歴史的な建造物を背景に、長きにわたり地域の人々の暮らしを支えてきた陣屋前朝市は、単なる市場というだけでなく、高山の歴史と文化を今に伝える生きた証と言えるでしょう。
2.四季折々の見どころ
陣屋前朝市では、一年を通して様々な旬の恵みと、高山陣屋という歴史的な建造物が織りなす美しい景観を楽しむことができます。
春:雪解けとともに、地面から顔を出したフキノトウ、春の訪れと共に芽吹いたタラの芽、ウドなどの山菜が店先に並びます。他地域ではあまり食べられないコシアブラ(地元の言葉でコンテツ)は天麩羅にすると絶品。
夏:地元の珍味「朴葉寿司」が店先に並ぶと春から初夏への移り変わりの合図。爽やかな香りの朴の葉に酢飯と錦糸卵、キャラブキの煮物などが包まれ、1年に1度の味わいとして親しまれています。日差しが強くなるころには、太陽をいっぱいに浴びて育ったトマト、キュウリ、ナス、トウモロコシなどの夏野菜が旬を迎えます。香り高い桃は贈答品として各地へ発送されます。
秋:収穫の秋を迎えると、金色に輝く新米をはじめ、りんご、梨などが店先を賑わせます。また、紅葉の時期には、陣屋の庭園も美しく色づき、一見の価値があります。
冬:陣屋前広場の松に雪吊りが施されると冬の訪れを感じます。重い積雪に耐えきれず枝が折れてしまうことを防ぐため、幹に支柱を添わせ、支柱より四方八方に伸びた荒縄が松の枝を支えます。冬の朝市は夏、秋の賑わいに比べひそやかな雰囲気ですが、その風景は美しいものです。
3.アクセス
陣屋前朝市は、高山観光の中心部に位置しており、アクセスが非常に便利です。
徒歩: JR高山駅から徒歩約15分。古い町並からは徒歩1分の距離にあり、観光のルートに組み込むことができます。散策を楽しみながら、気軽に立ち寄れるのが魅力です。
バス: まちなみバス「陣屋前」バス停で下車すぐ。
車: 周辺にはいくつかの有料駐車場がありますが、朝市開催中は混雑することが予想されます。高山駅西駐車場を利用し、周遊バスに乗車すると良いでしょう。バス利用者は駐車場が3時間無料になる特典があります。
陣屋前朝市は、歴史ある建造物 高山陣屋を背景に、四季折々の農産物や手作りの餅や味噌などの加工品が売られる活気ある市場です。 素朴な飛騨言葉が行き交う地元ならではの市場で、人々の温かさに触れ、高山ならではひとときを過ごせるでしょう。
- エリア
- 飛騨
- カテゴリー
- 伝統に触れる
- 文化・暮らしを感じる
- お土産店
基本情報
- 住所
- 岐阜県高山市八軒町1-5
- 電話番号
- 0577-32-3333
- 問い合わせ先
- 高山市観光課
- 営業時間
- 4月~10月 7:00~12:00
11月~3月 8:00~12:00 - 休業日
- 年中無休
- アクセス
- 高山駅より徒歩10分
- ウェブサイト
- 口コミサイト