オトナ女子が楽しむ!初めての笠松競馬と周辺グルメ
- 透 千保
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笠松競馬場
正門に到着してドキドキしながら様子を伺っていると、岐阜県地方競馬組合の大野 鉱三さんと坂本 孝希さんがお出迎え。場内を案内していただきました。駅で見かけるような自動改札機があり、入場料100円を入れて中に入ります。笠松競馬でレースが開催される日のみ入場料が必要です。
正門の上には、出場騎手の顔写真がズラリ。すぐ左手には、オグリキャップの像が!笠松競馬では、今年度のレースは年間21回(98日)開催予定です。開催日には、10時~17時頃までの間に10~12レースが行われます。
まずは、出走表を取り特別観覧席へ。ガラス越しに馬が走る様子がよく見え、個人席のモニター画面で、馬がパドックにいる様子やレース結果などを確認できます。
レースをもっと近くで見たい時は、スタンド席へ。人馬一体で走る姿、勢いよく馬が駆けていく音は豪快で、ただただ感動。すごい迫力です!
いよいよ馬券を買います。今では冊子体になっている競馬新聞に目を通し、最近の成績をチェックしたり、レース直前にパドックに現れた馬の調子を見ます。それらを総合して順位を予想してみました。
笠松競馬場内で買える馬券は8種類ありますが、難易度の低いものは、1着になる馬を当てる「単勝」、3着までに入る馬を当てる「複勝」とのこと。これらの馬券は当たる確率がみな違い、それにより当たった時の配当も変わってきます。競馬とは、レースごとにどのような組み合わせで馬券を買うか、戦略に満ちたゲームだったのですね。
初心者なので、まずは「複勝」に挑戦!とっても強そうな馬「ラクレット」に賭けることに。マークシート式の応募券で馬の番号を塗りつぶし、自動券売機に挿入して精算。かけ金は100円です。馬券が発券されました。
そして、レースを待ちます。私が選んだ「ラクレット」は、1~3着に入るでしょうか?!出走からレース展開を固唾を飲んで見守ります。馬群が最終コーナーを回りストレートに差し掛かると、「行けー!」と叫んでいました。
果たしてその結果は?予想が見事に当たり、何と「ラクレット」は1着でゴール!「よくやったー!」と誉めてあげたくなりました。自動払戻機に馬券を入れると、110円が戻って来ました。「これで競馬を終えれば、一生勝ったことになりますよ」と坂本さん。払い戻し金額に関わらず、当たると嬉しいものですね。癖になりそう!
来場者は男性が多いイメージでしたが、女性やカップル、家族の姿もあり、それぞれに楽しめる過ごし方があるようです。場内には子どもが遊べる部屋もありました。
最近は、『ウマ娘プリティダービー』にちなんだレースや企画もあり、コスプレーヤーで大混雑の日もあったそうです。略称『ウマ娘』は、ゲームアプリとメディアミックスコンテンツで、競走馬を擬人化した美少女キャラクターの「ウマ娘」を育成し、レースで勝利を目指すという内容です。
往年の競馬ブームから時代の流れとともに低迷が続き、コロナ禍を経て、ようやく本格的に再開された笠松競馬場。全国から投票できるインターネット販売も好調だそうです。「名馬・名手の里ドリームランド」というキャッチフレーズを踏襲しながらも、新しい顔を見せてくれることを期待しています。
丸金(マルキン)食堂
笠松競馬場内に立ち並ぶ食堂の一つ「丸金(マルキン)食堂」は、1935年(昭和10)のオープン。3代目のオーナー山田琢也さんの祖父「金一さん」が、場内の一角で食事を提供したのが始まりです。
店頭では、おでんや串カツ、どて(モツの味噌煮込み)の香りが漂います。どれも1本120円で気軽に食べられる究極のファストフード。串カツは勝負に勝つに通じ、また競馬開催日には「あたりもち」も販売され、これらを食べてげんかつぎをする人も多いとか。蹄鉄の焼き印が入った名物の大判焼きや、それを揚げたスイーツも。甘い物が食べたい時におススメです。
店内には、カウンターとテーブル席があり、刺身、冷や奴、サラダなどの一品料理から、カレー、丼物、麺類など種類も豊富で、一番人気はボリュームたっぷりのどて飯です。
1991年に行われたオグリキャップの引退式の日には3万人が来場し、食材がなくなったことも。最近では、『ウマ娘』に関連したレースやイベントに人が集まり、同じ様な現象が起きたとか。
漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』は、笠松競馬場が舞台となっており、主人公はオグリキャップ。ライバルのタマモクロスが、丸金食堂のカウンター中央できしめんを食べるシーンも登場します。そのシーンと同じ場所できしめんを食べようと行列ができる時もあるそうです。
「タマモクロスのフィギュアも、ファンの方からお店に置いてほしいとの好意なんです。」と女将の美香さん。コスプレイヤーの聖地としても人気が高まっているようですね。
◆丸金(マルキン)食堂
住所:笠松競馬場内
TEL:なし
営業時間:10:00~15:00頃
※その日の状況次第で終了時間が変わります。
Pâtisserie KOGIKU(パティスリー小菊)/四ツ角屋
笠松競馬場すぐそばの「パティスリー小菊」さんは、昭和9年に「四ツ角屋」という和菓子店として創業。3代目店主の葛谷昌彦さんは、岐阜市柳ヶ瀬の有名洋菓子店「菊屋ベーカリー」で修行された本格派。今は奥様の美穂さんと、おいしい和菓子と洋菓子を提供しています。
競馬にちなんだお土産として親しまれている「蹄鉄クッキー」。もともとは、笠松町立笠松中学校の総合学習の授業で、生徒たちが笠松の土産品として考案し、葛谷さんに商品化の依頼をしたことがきっかけで生まれました。
葛谷さんは町おこしにもなると考え、2009年、地元の菓子組合(当時8店)と共同で商品を完成させました。「蹄鉄クッキー」は、笠松の各菓子店をはじめ、名鉄笠松駅構内にあるアンテナショップ「ふらっと笠松」でも購入できます。「馬くいく(うまくいく)」という縁起のよいキャッチコピーで、競馬ファンや受験生の合格祈願などに長く愛されています。
今では、ご子息の侑史(ゆうじ)さんが作る「馬運(ばうん)シュー」も人気を集めています。侑史さんはフランスに1年留学した後、東京の有名店でも修行され、ご両親、そしてフランスで出会った伴侶の萌子(もえか)さんと共に新しいお菓子を生み出しています。
「馬運シュー」は、少し堅めの生地にチョコクリームがたっぷり入っていて、甘すぎずチョコのほろ苦さが舌に残るおいしさでした。
ショーケースには、定番の「ショートケーキ」「チーズケーキ」「サバラン」も並び、なつかしい味を求めて遠方からも多くのお客様が訪れます。
最近では、『ウマ娘』のイベントがある日に大勢のファンが訪れ、1日に200個のお菓子が完売することもあったとか。笠松菓子組合の組合長も務める葛谷さんは、地域に根づいたお菓子作りにやりがいを感じると言います。
古き良き伝統を残しつつ、時代に合ったお菓子作りに挑戦する葛谷さんファミリー。今後もどのように進化していくのか楽しみです。
◆Pâtisserie KOGIKU(パティスリー小菊)/四ツ角屋
住所:岐阜県羽島郡笠松町八幡町64番地
TEL: 058-387-2684
営業時間:8:00-18:00
定休日:月曜日、第4火曜日
Blue River Café(ブルーリバーカフェ)
1962年に創業し、地域の社交場として親しまれてきた「AOI KISSA(アオイキッサ)」。現オーナーの青井克樹さんが、ご両親からお店を受け継いで、2013年に「ブルーリバーカフェ」として再スタートを切りました。店名は、青井さんが木曽川の近くで営むお店という意味です。
メニューはハンバーガーとかき氷のみ。ハンバーガーは馬の蹄鉄をバンズ(パン)にあしらった「ホーシューバーガー」。蹄鉄(horseshoe)は、漢字にすると「報酬」。笠松競馬で報酬(儲け)が得られるようにとの縁起の良い響きです。2008年頃からご当地グルメが話題となったため、こちらのお店は、馬の町・笠松町をPRできるようハンバーガーに特化したスタイルになりました。
ハンバーガーのパテ(肉)は、牛肉と豚肉の混合で、食感を残しながら仕込みます。オリジナルBBQソースと自家製バンズのおいしさにもこだわっています。
ハンバーガーの食べ方を教えていただきました。紙の袋の中にハンバーガーを押し込んで、袋ごと抱えて食べると中身が飛び出さず、最後までおいしく食べられます。もちもちしたバンズとパテの歯ごたえがあり、まさに正統派バーガーです!
ハンバーガーの種類は、オリジナルホーシューバーガーの他、チーズ入りや、テリヤキチキン、チリコンカンと特製BBQソースで炒めたひき肉を添えたスロッピージョーなど5種類。
また、2014年から、全国的な知名度を持つ岐阜の名店「赤鰐」のオーナーに教えてもらいながら、かき氷作りにも挑戦。今や師匠と弟子の関係に。
かき氷は10種類ほどあり1年を通して販売されています。夏のハイシーズンは、1時間待ちは覚悟の上で来店した方がよさそうです。トッピングのフルーツは旬のものを使用し、夏場だとメロン、アメリカンチェリーが多いとか。一番人気は「クリームチーズラズベリー」他、「ブルーベリーヨーグルト」「ベリーズアンドストライプス」も。
新メニューとして、「シャンシャンタイワ~ン(上々台湾)」「ピスタチオカッサータ」も登場。「シャンシャンタイワーン」は、ココナッツミルクベースで台湾風に仕上げ、中にはナタデココも入っています。
私がいただいた「ピスタチオカッサータ」は、クリームチーズベースで、中にはバニラアイスが入っており、マンゴソースやピスタチオソース、ナッツが乗っています。
ふんわり繊細な氷とナッツの香ばしさがミックスされて、かき氷のイメージが全く変わりました。使用する氷は特別なものではなく、削る技術で味が変わるそうで、こうしたマニアックなかき氷の作り手を「プロゴーラー」、その愛好家を「ゴーラー」、さらに本当に好きな人を「ガチゴーラー」と呼ぶのだそうです!
以前は男性客が多かったそうですが、今では若い女性客が多く、ハンバーガーを食べてからかき氷を2~3杯食平らげる強者も。岐阜県外からも多くの人が訪れます。お嬢様のみずきさんもプロゴーラーとしてお店を切り盛りされています。
金曜日のみのナイト営業では、かき氷にカクテルを添え、アルコールも楽しめるそうですよ。また毎週、新作が登場します。季節によって営業時間が変わるので、お店の情報をチェックしてからお出かけくださいね。
◆Blue River Café(ブルーリバーカフェ)
住所:岐阜県羽島郡笠松町下本町82番地
TEL: 058-387-4534
営業時間:11:00-18:00 金曜日 16:00-20:00 ※冬季:11:00-17:00
(ラストオーダーは閉店30分前)
定休日:木曜日
7月20日~8月末は無休(この間、金曜日は通常営業)
5歳以下の入店不可
※変更の場合がありますので、事前にWEBサイトなどでご確認ください。