岐阜県・多治見市にある新町ビルで改めて「やきもの」を楽しんでみませんか?
- ハマダアヤノ
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街の中心部には、陶器商の商家や蔵を新しく改築したショップが並ぶ本町オリベストリートがあり、最近では、時代の流れに合わせて、これまでになかった切り口や考え方、想いをもって「やきもの」の楽しみ方を提案しているお店も増えてきています。
今回は、多治見市新町にある「やきもの」のギャラリーやショップを併設した「新町ビル」にお邪魔してきました。
「やきもの」を身近に感じることができる新町ビル
岐阜県・多治見市新町にある新町ビルは、昔ながらの街並みや商店街が続く地域の中で、ひときわ目立つスタイリッシュなビルです。
「陶磁器産業と地域の未来に向け人とモノが交わる場をつくる」をコンセプトに、1階から4階まで「やきものやモノ」と「人」が交流できるスペースになっています。
多治見は、昔から「やきもの」が有名なこともあり、作家さんと産業が根底でつながり、互いに作用し合いながら続いてきた類い稀な文化のある街。そこから、さらに新たな交流や流れが生まれる「場」として、新町ビルは生まれました。
新町ビルに来る全ての人が、「多治見や東濃、そしてやきものの面白さと魅力」を体感できるように、そしてこの地に根付く陶磁器文化を、後世につないでいくことを、新町ビルでは大切にしています。
新町ビルのフロア紹介
ガラス張りで、通りからも見渡すことができる新町ビルの1階は、主にギャラリーやイベントを開催するスペースになっています。地元の作家さんや学生さんと繋がったり、やきものなどの作品に触れることができる場になっています。
2階では、地元の作家さんなどの商品が販売されています。美しくディスプレイされた空間は、見ているだけでもとても心地よい気分になります。
3階は、展示スペースとして、やきものだけでなく様々な作家さんが個展を開いたり、交流する場所として、貸し出しをされています。
4階は、別のオーナーさんが運営するショップとなっていて、全国からの作り手さんの作品を購入することができます。こちらも、見ているだけで感性が刺激されるような素敵なお店になっています。
「やきもの」について考えるきっかけを
「やきもの」と聞くと、みなさんそれぞれ、イメージするものや創造するものがあるのではないでしょうか。「〇〇焼だから高級」「陶器は〇〇が良いといい」など、多くの人に「やきものといえば?」という考え方があると思います。
新町ビルでは、いろいろな「やきもの」を見たり触れたりすることができるので、これまでの「やきもの」に対する考え方が変わるような体験ができます。
例えば、私が今回の取材中に気になっていた写真1枚目の「やきもの」。「カップとして使えるのかな?口元がとても飲みにくそう。ものすごく薄いから割れそう」と考えていました。
オーナーの花山さんに、このやきものについて聞いたところ「これは作家さんのオブジェ作品で、マグカップの形ではありますが使うモノではないんです」との回答をもらいました。
・やきものだからという先入観から、使うためのカップと思ってしまった。
・カップとしては使いにくいけど、やきものは使うものと思っていた。
・カップでなくオブジェ。やきものなら、オブジェという選択肢もあると気づく。
という感じで、やきものに対しての考え方を、いろいろな切り口で、そして自分らしく考えることができます。
2枚目の写真の作品も、とても気になりませんか?きっと人によって、様々な捉え方ができる「やきもの」だと思います。
美しいものに触れる時間を過ごせる場所
私はよく器を購入するのですが、購入するときの選ぶ基準は、フォルムの美しさです。
新町ビルでは、元から美しいやきものがより美しく見える空間になっているので、見ているだけでとても心地よく、感性が刺激されます。窓からの光の入り方にもこだわった、余白のある広い空間は、ゆったりとした時間を過ごせるので、ご自身のペースで楽しむことができると思います。
美しいものに触れる時間を作るのは、人生においてとても大切なことだと私は思っています。
素敵なモノとの出会いを楽しみに、ぜひ新町ビルへ
いかがでしたか?
岐阜県・多治見市には、昔ながらの街並みだけではなく、こんなに素敵なビルがあります。近郊にお住まいの方はもちろん、遠方からこの地域のことを知りたいという方にも、ぜひ一度は行ってほしい場所だなと思い、今回は取材をさせていただきました。
ここでしか出会えない素敵なやきものやモノ、そして人との出会いを楽しんでみてくださいね。