話題の「クラフトコーラ」! 岐阜で爽快な一杯が飲めるお店6選
- 各務ゆか
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「クラフトコーラ」とは?
近年話題になっている「クラフトコーラ」。クラフトには”職人が作った”とか”手作り”という意味があり、クラフトコーラはそれぞれの地域やお店ごとにスパイスやハーブなどを独自ブレンドして作られる、自家製のコーラのことを言います。
コーラの名称は、元々コーラナッツという実から抽出したエキスを使っていたことに由来しているそうですが、今や使うスパイスやハーブなどの材料はそれぞれ。コーラナッツを使っていないお店も多いです。「そもそもコーラって手作りできるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、実は比較的簡単に作れます。数種類のスパイスや甘味などを一緒に煮込めばできてしまいます。
簡単ではありますが、調合をどの程度にするかなど、細かなこだわりが腕の見せどころです。お店によって味が違うので、自分好みの一杯を見つけるのが楽しく、奥深い世界にハマる人が続出しています。
また、コーラといえば体に悪い飲み物というイメージがあるかもしれませんが、それを覆すのがクラフトコーラです。
クラフトコーラには何種類ものスパイスやハーブが使われるのが特徴で、クローブ、カルダモン、シナモンなどがその代表的なスパイスです。胃腸を健やかに保ったり、口臭予防や消化促進など薬膳効果が期待できます。
暑い夏に飲むと元気が出そうなクラフトコーラ。まだ飲んだことがない方は、ぜひ一度試してもらえればと思います。
【岐阜市】地元の薬草文化を活かした『ぎふコーラ』が飲める!「ナチュラルベース」
今や岐阜のクラフトコーラの代名詞となっている『ぎふコーラ』。
開発をスタートしたのは2020年10月で、開発を進めたのは、岐阜市美殿町で自然派料理店「ナチュラルベース」を営む片山治さん、揖斐川町で薬草料理を手掛ける「キッチンマルコ」の四井智教さん、元揖斐川町町おこし協力隊の泉野かおりさんの3人。全員1991年生まれで県内出身。「県内の知られていない面白さを、専門分野である食を通じて伝えられないか」と意気投合して、クラウドファウンディングで資金を募り、『ぎふコーラ』を生み出しました。
「僕たちはみな一度岐阜を出たことがあるのですが、県外の人に岐阜って何があるの?と聞かれても答えられないことが多くて、”これが岐阜だよ”って言えるようなお土産になるものを作りたいと思ったんです」と片山さんは言います。
プロジェクトリーダーの片山さん、薬草の知識に長けている四井さん、企画や文書をまとめたり女性の感覚を活かした泉野さん、そして、クラフトコーラの火付け役とも言われている「ともコーラ」の監修を経て、伊吹山で採れる薬草を絶妙に調合し、『ぎふコーラ』は出来上がりました。
片山さんのお店「ナチュラルベース」では、『ぎふコーラ』の原液を販売していらっしゃるほか、お店でもその味を楽しむことができます。
『ぎふコーラ』の特徴は、揖斐川町旧春日村で自生している薬草を使用していること。ヨモギ、ヤブニッケイ、カキドオシ、ドクダミ、4種類の薬草がブレンドされています。ヨモギやドクダミは苦みがあるのではないか?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、伊吹山麓に生えているヨモギやドクダミは気候や土壌などの関係で驚くほどえぐ味が少なく、誰でも親しみやすい味になっています。
飲んでみると、ジンジャエールにも似た味わいに、ほんのりのと薬草の風味が感じられ、体の中に染み渡る感覚がします。薬草の他に、きび砂糖、レモン、コーラナッツ、オールスパイス などが組み合わさっており、絶妙な味のバランスがクセになること間違いなしです。
原液を購入される場合は、家で原液1に炭酸水4で割るのがおすすめ。そのほか、ミルクで割るとチャイのような味わいになり、炭酸が苦手な方でも飲みやすくなります。また、ウィスキーやジンとも相性がよく、お酒が好きな方は万能シロップとして活用できます。お店では料理にも使っているそうです!
『ぎふコーラ』では”岐阜を旅するコーラ”として第二章のクラフトコーラを計画中とのこと、今後の展開も楽しみです!
■ナチュラルベース ( @naturalbase.gifu )
岐阜県岐阜市美殿町45
11:30-13:30、16:00-21:30、火:水曜日休
【岐阜市】体にやさしい料理にこだわる店が作るクラフトコーラ「カフェ チイタ」
続いて紹介するのは、岐阜市竜田町にある「CAFE CHIITA(カフェチイタ)」さんのクラフトコーラです。
こちらのお店は、オーガニック、無添加、発酵食、デトックスドリンクなどにこだわり、体に優しいお料理がメニューにずらりと並びます。そんなお店のドリンクメニューに2017年11月の開店当初からある「クラフトコーラ」。2017年は、今のようにクラフトコーラが話題になる大分前。そんな以前からクラフトコーラに着目していらっしゃったのが驚きです!
店長の前畑多希さんは「店の開店に合わせて自家製のドリンクを作りたいなと思っていたところ、バーを経営しているお客さんからたまたまクラフトコーラのことを聞きました。調べてみたらクラフトコーラは薬膳に近いし、とても体に良い飲み物だということがわかり、作ってみようとなったんです」と、クラフトコーラを作った経緯について教えてくださいました。
「カフェ チイタ」のクラフトコーラには、コーラナッツの他、クローブ、ジュニパーベリー、シナモン、カルダモン、コリアンダーなど7種類ほどのスパイスが使われています。スパイスは全てオーガニックのものを使っているのがこだわりです。
使用する甘味には、黒糖とてんさい糖が使われていますが、味や色身のバランスをみながら配合のバランスを考えるのに試行錯誤したのだと言います。原液は味に深みを出すため、継ぎ足しで作り続けているそうです。
提供される時にはレモンが加わり、コクのあるクラフトコーラがさっぱりと引き締まった味になっています。たくさんのスパイスが使われているからか、飲んだら胃がすっきりして、頭がシャキッとするので不思議です。
クラフトコーラはテイクアウトも可能。暑い日の散歩途中に買っていくのもおすすめです。
「カフェ チイタ」さんでは、クラフトコーラの他にも、自家製デトックスドリンクが豊富で、米麹のみで作った自家製甘酒や自家製ジンジャエールなど魅力的なラインナップが揃っています。体に良いドリンクを求めてぜひ来店してみてください!
■CAFE CHIITA(カフェチイタ) ( @cafechiita )
岐阜市竜田町3-17
ランチ11:00〜15:00(L.O.15:30)、ティータイム14:00〜 17:00 、水・日曜日休
【各務原市】お店のバーガーとも相性抜群のクラフトコーラ「はしもとバーガー」
各務原市の自然豊かな学びの森の「KAKAMIGAHARA PARK BRIDGE」の中に入る店舗「はしもとバーガー」。こちらでもクラフトコーラを飲むことができます。
「はしもとバーガー」は各務原市でトマト農園を営む「はしもと農園」の新業態。名物のバーガーは、はみ出すほどのベーコンや、ジューシーなパテが食欲をそそる人気メニューとなっています。
代表、橋本涼さんはクラフトコーラを開発した経緯について、「バーガー屋をやりたいと全国のお店を巡っている時、ビンでのコーラが多くて、それはそれで美味しいのですが、自家製コーラだったらもっといいよなと思ったんです。せっかく自分の店を出すならクラフトコーラを作りたいと思って自家製コーラ作りに挑戦してみました」と話してくださいました。
「はしもとバーガー」のクラフトコーラのこだわりは、ハンバーガーに合うように作られていいること。カルダモン、シナモン、クローブなど5種類のスパイスがミックスされており、シナモンは気持ち多めに入っているのだそう。はちみつやレモンも入ってさわやかな味になっており、ガツンとした味のバーガーとも相性が抜群です!
また、店舗が入る「KAKAMIGAHARA STAND」は子ども連れが多い施設ということもあり、子どもにも飲んでもらいやすいよう、クセが強すぎない味に仕上げてあるのが特徴。まさに、家族全員で楽しみたい「はしもとバーガー」のクラフトコーラ! 学びの森でひとしきり遊んだ後に、喉を潤すのにも良さそうです!
■はしもとバーガー ( @hashimoto_burger )
岐阜県各務原市那加雲雀町30-1
11:00-17:00(L.O.16:30)
【海津市】バインミーとも好相性のクラフトコーラ「TIKKER」
2021年9月、海津市海津町にオープンしたばかりの「TIKKER (ティッケル)」。同市で運送業務を行う会社が、「海津市を盛り上げるような場所を作り、そこに集まるお客様を通して地域に貢献したい」という思いで開いたカフェです。
代表の山田さんは、コロナ以前は世界中をよく旅していたそう。アメリカでは田舎道を走ると突如オアシスのようなドライブインが現れて、そこではアジアンフードなどが提供されていたそうです。多国籍の国らしさが面白いと感じ、地元海津市にもそういった場所を作りたいと思ったのだと言います。
「TIKKER」は、海津市の田んぼ道を走ると現れる、アメリカの西海岸のようなおしゃれな場所になっているのですが、その雰囲気には山田さんの思いが反映されているのです。
「TIKKER」のイチオシは、ベトナムのサンドイッチ、バインミー。旨味とコクのある自家製レバーペーストやなますなどがフランスパンに挟まって、絶妙なアクセントになっている逸品です。
そんなお店のメニューにオープン当初からラインナップしているクラフトコーラ。「海外の人はバインミーなどによく炭酸飲料を合わせて食べるんです。東京のカフェにはクラフトコーラがよくあるのを知っていましたし、当店の料理にも合うんじゃないかと思って、自分たちで作ってみようとなったんです」と、クラフトコーラを作った経緯について山田さんは教えてくれました。
「TIKKER 」のクラフトコーラは、カルダモン、クローブ、シナモンなど6種類のスパイスが使われているほか、甘味に黒糖を使っているのが最大の特徴です。黒糖を入れることで香りが豊かになり、味に深みが増しています。誰でも飲みやすい味に仕上がっていながらも、コクのあるクラフトコーラは、バインミーやほかのスイーツとの相性も抜群です!
自家製のドリンクにこだわっている「TIKKER」では、クラフトコーラの他にも魅力的な飲み物がたくさんあります。自家製ジンジャエールやレモネードも人気が高いのですが、特におすすめしたいのは、エスプレッソロマーノ。自家製レモネードスカッシュにエスプレッソをバランスよく合わせた一杯です。海外ではエスプレッソと炭酸を組み合わせて飲むことがよくあるそうで、岐阜県では珍しいエスプレッソマシーン・スレイヤーで淹れたエスプレッソの風味が効いて美味しいですよ!
■TIKKER ( @cafe_tikker )
岐阜県海津市海津町馬目657
9:00~18:00(L.O.17:30)
水曜休
【岐阜市】カカオニブの風味がプラスされたニブクラフトコーラ「トイヤマチチョコレート」
2020年12月、岐阜市問屋町にオープンした「トイヤマチチョコレート(問屋町チョコレート)」。レトロな問屋街の中にあるお店で、テイクアウト専門店になります。
世界中から厳選した豆を仕入れ、お店で焙煎し、石臼で24時間以上すりつぶしてチョコレートを作っていらっしゃるお店で、店頭にはホンジュラス、インド、グラテマラなど世界のいろんな国で作られたカカオ豆が並んでいます。産地ごとに分けたカカオ豆ときび糖のみで作られるシングルチョコレートは、一般的なチョコレートは一線を画す味です。
お店が開かれるのは主に週末。チョコレートを使ったスイーツなどを週替わりで作られているのですが、その美味しさが評判を呼び、商品によっては開店早々に売り切れてしまうことも。ぜひ一度行ってもらいたいお店です。
店を訪れると、ちょうどニブクラフトコーラを作っていらっしゃる最中でした。スターアニス、ナツメグ、カルダモン、コリアンダ、クローブ、シナモンを砕き、水、てんさい糖、はちみつ、レモンのスライスを入れてまずはひと煮立ち。30分ほどしてからさらにレモンをプラスし一旦落ち着かせていました。冷え切る前に、香ばしく焙煎されたカカオをすり鉢ですりつぶしたニブをプラスすると、ふんわりとカカオの香りがプラスされ、店中がいい香りに包まれていました。
クラフトコーラとチョコレートの風味は合うのか!? と半信半疑で飲んでみたら、「めちゃくちゃ合う!おいしい!」と新発見。厳選されたカカオニブだからか、スパイスの香りにも負けない風味が鼻から伝わり、美味しさを倍増させてくれます。
お店の人気商品の一つ、米粉カヌレと一緒にクラフトコーラを飲んでみたのですが、相性抜群です。外側がカリっとしていて、中がしっとりで、チョコレートの香りがする米粉カヌレの濃厚さと、さっぱりのクラフトコーラが食欲を促進してくれました!
カカオニブが香る「トイヤマチチョコレート」のニブクラフトコーラ、ぜひ試してみてください!
■トイヤマチチョコレート(問屋町チョコレート @toiyamachi_chocolate)
岐阜県岐阜市問屋町4-3
12:00~15:00
※オープン日は主に週末。詳細はお店のインスタでチェックをお願いします。
※商品によっては開店早々に売り切れてしまう場合もあり。早めの来店がおすすめです。
【各務原市】コーヒーとスパイスが融合したスパイスコーク「KAKAMIGAHARA STAND」
各務原市「学びの森」敷地内にある「KAKAMIGAHARA STAND」にもクラフトコーラがあります。
こちらのお店のクラフトコーラは「スパイスコーク」という名前で売られており、コーヒーにスパイスを効かせた自家製コーラを足したものになっています。元々はメンズファッションイベントの際に出される限定品として開発されたメニューだったそうですが、その美味しさが話題を呼び、現在は夏季のレギュラーメニューとして販売されています。
「KAKAMIGAHARA STAND」で使われているコーヒーは、同市の喫茶山脈のオリジナルブレンド。スパイスコークは、そこにシナモン、クローブ、カルダモンのスパイスを加え、砂糖と一緒に煮詰めたものが原液となっています。
不思議とコーヒー感はなく、ほんのりビターなコーラ味に仕上がっているので、「コーヒーが苦手」という人にも好評だそう。フローズンのオレンジが添えられているので、スパイスコークの中に溶かしながら飲むと、シャリシャリした食感とともに、味変も楽しむことができます。
1回飲むとリピーターになる人が多いというスパイスコーク。毎年5月~9月限定で販売されているので、ぜひ足を運んで試してみてください!
■KAKAMIGAHARA STAND (@kakamigahara_stand_new)
岐阜県各務原市那加雲雀町10-4
11:00~17:00、木曜休
まとめ
以上、岐阜近郊で飲むことができるクラフトコーラを6つご紹介いたしました。
それぞれのお店の一杯を見てもらうと分かる通り、クラフトコーラはお店によって個性が出ます。一口飲むと、一般のコーラよりも優しい味で、スパイスと柑橘系のさわやかさが加わり喉を潤してくれます。どのお店も原料にこだわって作っているため、罪悪感を感じずにいただけるのも嬉しいポイントです。
ぜひお気に入りの一杯を探してお店をハシゴしてみてください!