これからが見頃!春から夏へ。飛騨の花咲く絶景を巡ろう【4選】
- 土庄雄平
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圧巻の風格を誇る古木「臥龍桜」
岐阜県高山市にある「臥龍桜(がりゅうざくら)」は、樹齢約1,100年の古木で、その威厳ある姿が訪れる人々を魅了します。この桜の名は、龍が地に臥しているように見えるその外観に由来しており、エドヒガンザクラの壮麗さが際立つ名所です。
春になると、淡いピンクの花が枝いっぱいに咲き誇り、爽やかな青空とのコントラストが美しく映えます。この桜は高山市の指定天然記念物にも登録され、長い年月を生き抜いてきたその生命力と佇まいが、見る者を圧倒します。
また、観光客が多い季節には夜間のライトアップも行われ、昼夜を問わず幻想的な風景が楽しめるのも魅力です。臥龍桜の歴史に思いを馳せながら、のどかな春の風情を心ゆくまで堪能してみてください。
夜桜ライトアップをはしごできる「飛騨あさひ桜めぐり」
高山市街の南東にある朝日町は、どこか懐かしい田園風景と伝統的な日本家屋が広がる場所です。最近では、しだれ桜のライトアップが話題になっています。この地域では、車で数分の範囲にライトアップされたスポットが点在しており、夜桜を楽しみながら、ゆっくりと巡ることができるのが魅力です。
特に見応えがあるのは、二つの神明神社です。浅井地区の神明神社には、飛騨あさひ地域で最大級のしだれ桜があり、その大きな枝が堂を覆いかぶさるように咲き誇ります。一方、青屋地区の神明神社では、水田に映る夜桜の水鏡が見られ、その静寂な夜の中で息を呑むような幻想的な光景が広がります。
薬師堂と天満神社はややこじんまりとしていますが、それゆえにお客さんも少なく穴場スポット。桜の季節でも高山の山間部は夜冷え込むことがあるので、防寒対策を万全にして訪れることをお勧めします。
北アルプスの絶景も待つ。新穂高ロープウェイの「水芭蕉群生地」
奥飛騨の人気観光名所である「新穂高ロープウェイ」。その終点、西穂高口駅付近の園地では、雪解けが進む6月に水芭蕉が見頃を迎えます。標高2,000mを超える場所での水芭蕉の群生は、全国的にも非常に珍しいです。
水芭蕉は、緑の穂が白い花びらに包まれたような愛らしい姿が特徴ですが、実はその白い部分は花びらではなく、苞(ほう)と呼ばれる、花を守るために変化した葉です。よく見ると、中央の穂にあたる部分に、小さな花が密集して咲いているのがわかります。
また、園地内には、槍の回廊をはじめとする北アルプスを一望できる展望所が整備されており、非日常的な景色を楽しむハイキングにもってこい。さらに登山を楽しみたい方には、西穂丸山を目指すコースもおすすめです。
希少な花々の宝庫!白山の「高山植物」
岐阜県と石川県の県境に位置する「白山」は、日本百名山の一つであり、夏には高山植物が豊かに咲き誇る名所として知られています。標高が高く涼しい気候のため、6月から8月の限られた期間にしか見られない高山植物が、厳しい環境の中で美しく花を咲かせます。
特に、コマクサやハクサンコザクラ、ミヤマキンバイなどの希少な花々が咲き誇る姿を目当てに、全国から植物愛好家や登山者が集まります。白山の名前を冠したハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、ハクサンフウロなどの花々が多く見られるのは、この山が早くから高山植物の研究の場として注目されてきたためです。
白山の主要登山ルートの一つである岐阜県側の平瀬道コースは、白水湖をスタート地点とし、往復で約8時間を要するロングコースです。日の出前に余裕を持って入山することをお勧めします。標高が上がるにつれて、目にする花々や広がる景色が劇的に変化し、日常を離れた高山の世界が待っていますよ。
色とりどりの花咲く絶景が待つ飛騨の春〜夏
飛騨の花の絶景が持つ魅力の一つは、他の東海エリアに比べて見頃が少し遅れて訪れることです。これは、飛騨地方特有の涼しい気候によるものです。
一般的に東海地方では桜が3月下旬から4月上旬にかけて満開を迎えますが、標高の高い高山では、例年4月中旬ごろが見ごろとなります。また、雪解けの季節に姿を現す水芭蕉も、標高2,000mを超える新穂高ロープウェイの「水芭蕉群生地」では、見ごろが6月と、平地よりもひと足遅れて訪れます。
ぜひ、豊かな色彩に満たされる春から夏にかけて飛騨を巡って、美しい花々を堪能してみてください。