地元レポーター発!旅のコラム

初心者にも最適!​​岐阜県の絶景・登山スポット10選 美濃から北アルプスまでご紹介

土庄雄平
土庄雄平
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北アルプスをはじめとして名峰が揃う岐阜県。面積のうち8割を森林が占め、全国各地から多くの登山愛好家が集う、まさに東海地方が誇る”山の県”です。今回は地元・岐阜の山を数多く登ってきた筆者がオススメの山をご紹介したいと思います。必要な体力を★で5段階評価するほか、各山の魅力やおすすめコースもお伝えします。参考にしていただけると嬉しいです。

遠見山(岐阜のグランドキャニオン)(加茂郡川辺町)

  • 岐阜のグランドキャニオンと称えられる地形美

加茂郡川辺町にある「遠見山(とおみやま、標高272m)」。もともと知る人ぞ知るマニアックな山ですが、今では週末になるとたくさんのハイカーが訪れる人気の山になりました。


その理由は、途中の展望スポット・見晴岩から眺めるこの絶景です。蛇行する飛騨川と高低差のすごい断崖地形は、まるでアメリカの世界遺産・グランドキャニオンを彷彿とさせ、「岐阜のグランドキャニオン」という愛称で親しまれています。


登山道の坂はキツいものの、よく整備され、歩行距離も標高差も少ないため、山頂まで1時間ほどで往復できる手軽さも魅力。同じく県内には「岐阜のマチュピチュ」というスポットもあり、1日で岐阜が誇る異国の絶景スポットを梯子することもできます。


【おすすめコース】

遠見山往復(歩行時間:約1時間10分/歩行距離:1km/累積標高差:約160m) ★

コース内容はこちら(YAMAP)

納古山(加茂郡川辺町)

  • 緑が美しい大パノラマの納古山周回コース

岐阜のグランドキャニオンと同じく、加茂郡川辺町にある「納古山(のこやま、標高632m)」。気持ちの良い樹林帯歩きから天然アスレチックの岩場、山頂の360度の絶景まで、登山の王道な魅力が詰まった周回コースが人気の里山です。


コースプロフィールは歩行距離5km、標高差500mと適度な内容。初心者の方でも無理せずハイキングを楽しむことができます。週末にはハイカーの方が集うので安心感もありますね。


山頂では御嶽山(おんたけさん、標高3,067m)や中央アルプス、白山といった日本屈指の山並みを望むことができます。山の主を表現したマスコット「ノコリン」も密かに人気なので、ぜひ会いに行ってみてください。


【おすすめコース】

納古山周回コース(歩行時間:約2時間45分/歩行距離:4.6km/累積標高差:約500m) ★

コース内容はこちら(YAMAP)

屏風山(瑞浪市/恵那市)

  • 山頂から眺める東濃の美しい街並みや山々

瑞浪市と恵那市にまたがる「屏風山(びょうぶざん/びょうぶやま、標高794m)」。名前の通り、屏風を立てたような山容が特徴です。瑞浪市の大草(おおくさ)登山口を起点に、歩きやすい登山道が整備されており、地元ハイカーを中心に親しまれています。


基本的に緑に覆われた山ですが、山頂は開けており、東濃の街並みや山々を見渡せるのが魅力。木々が窓のようになり清々しいです。途中には中央アルプスを見渡せる区間も。手軽に高峰の絶景を楽しむことができます。


山頂方向とは別に「黒の田(くろのた)東湿地」も人気のスポット。日本を代表する高層湿原・尾瀬(おぜ)を彷彿とさせる景観が広がります。


【おすすめコース】

大草登山口〜屏風山周回コース(歩行時間:約3時間10分/歩行距離:5.4km/累積標高差:約500m) ★★

コース内容はこちら(YAMAP)

猪臥山(飛騨市/高山市)

  • 清々しい青空に映える霧氷の森

飛騨市と高山市にまたがる「猪臥山(いぶしやま、標高1,519m)」。通常の時期はマニアックな山なのですが、雪山シーズンになると多くの登山者で賑わいます。その理由は、山頂周辺に生成される「霧氷(むひょう)」を鑑賞するためです。


霧氷とは、空気中の水分が過冷却で木々に付着する現象。気候条件の厳しい雪山ならではの風物詩となっています。さながら冬に満開の桜が咲くようで本当に美しいです。


猪臥山の魅力は、霧氷の遭遇率の高さと、雪山にしては難易度の低いコースプロフィールの2つ。道中、危険箇所もほとんどなく、雪山初心者の方でも安心して登山を楽しめるのもポイントです。


【おすすめコース】

猪臥山往復コース(歩行時間:約3時間10分/歩行距離:6.1km/累積標高差:約500m) ★★

コース内容はこちら(YAMAP)

伊吹山(揖斐郡揖斐川町/滋賀県米原市)

  • カルスト地形と草原。峰の先には琵琶湖

揖斐郡揖斐川町と不破郡関ケ原町、滋賀県米原市にまたがる「伊吹山(いぶきやま、標高1,377m)」。日本百名山の一つにして、花の百名山としても知られ、7月から8月にかけてお花畑が最盛期を迎えます。正面登山道は負荷が高いため、富士山登山の練習として登る方も多いです。


そんな伊吹山ですが、伊吹山ドライブウェイの頂上にある駐車場から登れば、どんな方でもハイキングを楽しめるハードルの低い山に変わります。体力に応じてどちらにするか選択しましょう。


山頂のカルスト地形やお花畑、琵琶湖の大展望など、これぞ山の魅力と言っても良い景色変化が続きます。麓から一気に立ち上がる独立峰らしい高度感あるパノラマが最高に清々しいです。


【おすすめコース】

伊吹山ドライブウェイ周回コース(歩行時間:約1時間/歩行距離:1.7km/累積標高差:約130m) ★

コース内容はこちら(YAMAP)

伊吹山 正面登山道コース(歩行時間:約7時間/歩行距離:10.6km/累積標高差:約1,200m) ★★★★

コース内容はこちら(YAMAP)

乗鞍岳(高山市/長野県松本市)

  • 雪渓が残る不消ヶ池。まるで絵画のような風景

長野県と岐阜県の県境にまたがる、北アルプスの名山「乗鞍岳(のりくらだけ、標高3,026m)」。日本に23座しかない標高3,000m峰の中でもっとも手軽に登れる山として知られています。その理由は、標高約2,700mの畳平(登山口)までバスでアクセスできるため。


そのおかげで歩行距離5.6km、累積標高差は約420mとなり、初心者でも手軽に北アルプス登山に挑戦することができます。筆者も登山にハマるきっかけとなった山です。


翡翠色をした池や、咲き乱れる高山植物、大迫力の火山地形など、雄大で美しい北アルプスの山上世界を堪能できる内容。余裕があれば、魔王岳や富士見岳など近くの小ピークに立ち寄るのも良いでしょう。


【おすすめコース】

畳平から剣ヶ峰往復コース(歩行時間:約3時間/歩行距離:5.6km/累積標高差:約420m) ★★

コース内容はこちら(YAMAP)

※2023年内には乗鞍スカイラインの復旧見込みなし。長野県側の乗鞍高原よりバスで畳平へアクセスできます。

西穂丸山(高山市/長野県松本市)

  • 西穂高口駅から望む槍ヶ岳と西穂高岳

新穂高ロープウェイの西穂高口駅から登れるのが「西穂丸山(にしほまるやま、標高2,452m)」です。スタート周辺の槍の回廊から、ピラミダルな西穂高岳(にしほだかだけ、標高2,909m)や天を衝くような槍ヶ岳(やりがたけ、標高3,180m)など、北アルプスの主峰たちを望みます。


西穂山荘までシラビソの森を行く緩やかなコースになっており、初心者にも安心。夏山の時期だけでなく、一年中登りやすいルートとしても知られています。


岩場登りをこなせるという方なら「西穂独標(にしほどっぴょう)」を目指しても良いですが、初心者の方にはこちらの丸山までが安心です。山頂からは日本百名山の一つ「笠ヶ岳(かさがたけ、標高2,898m)」の雄大な山並みを一望できます。


【おすすめコース】

西穂高口から西穂丸山往復コース(歩行時間:約2時間50分/歩行距離:4.4km/累積標高差:約420m) ★★

コース内容はこちら(YAMAP)

焼岳(高山市/長野県松本市)

  • 異世界感を放つ活火山の山・焼岳

岐阜県と長野県にまたがる「焼岳(やけだけ、標高2,455m」。麓の中の湯から登れば、山頂まで往復4〜5時間ほどで登頂できます。雄大な北アルプスの絶景と、迫力のある火山の世界観を手軽に味わえるのが魅力です。日帰り登山に適しており、北アルプス入門として人気の山の一つです。


前半は樹林を進んでいく道ですが、中盤から後半にかけて森林限界→火山地形へと景観をガラリと変えていきます。ゴツゴツとした北峰の溶岩ピークは圧倒的な迫力をまとっていますよ。


山頂から見下ろせば、北アルプスの山々に囲まれる秘境・上高地の姿が広がります。カーブを描きながら、梓川が谷筋を流れていく様は、どこか神仙の世界を思わせます。


【おすすめコース】

新中の湯登山口往復コース(歩行時間:約4時間40分/歩行距離:6.4km/累積標高差:約870m) ★★★

コース内容はこちら(YAMAP)

小秀山(中津川市/長野県木曽郡王滝村)

  • 御嶽山の眺めが素晴らしい日本二百名山

木曽の秀峰・御嶽山(おんたけさん、標高3,067m)を取り巻くように発達する阿寺山地。その最高峰が「小秀山(こひでやま、標高1,982m)です。日本二百名山の一つに選ばれており、マニアックな登山愛好家から人気が高いです。


山麓には豊かな乙女渓谷を育み、兜岩には日本アルプスに劣らない大展望、そして山頂からは御嶽山の山容など、景色変化に富んでいるのが魅力。中でも周回コースで通過するニノ谷は、渓流や滝を眺めながら、連続する岩場をこなす野趣に富んだ登山道となっています。


歩行距離12.1km、累積標高差約1,380mという本格的な内容なので、手軽な山でトレーニングをしてからぜひ挑んでみてください。


【おすすめコース】

三ノ谷登山口周回コース(歩行時間:約8時間30分/歩行距離:12.1km/累積標高差:約1,380m) ★★★★

コース内容はこちら(YAMAP)

各務原アルプス(各務原市/関市)

  • 低山ながら大パノラマが続く登山道

最後に紹介したいのが、岐阜県南部に位置する「各務原アルプス」です。全国に分布する"ご当地アルプス"の一つで、標高300mと手軽ながら、大スケールの展望や歩き応え抜群の尾根歩きを楽しめるため、東海圏のハイカーから高い人気を誇っています。


驚くべきは、そのコースプロフィール。全てを縦走すると歩行距離14.5km、累積標高差約1,520mという、かなりストイックな内容になります。もっとも標高が高い山でも標高約350mなので、いかにアップダウンが連続するコースか分かっていただけるでしょう。


歩きごたえは十分で、最後は気力勝負になりますが、ゴール時の達成感がたまらないです。道中のパノラマもすばらしく、「低山でも大迫力の景色を楽しめるんだ!」という発見もありますよ。


【おすすめコース】

各務原アルプス縦走コース(歩行時間:約8時間50分/歩行距離:14.5km/累積標高差:約1,520m) ★★★★★

コース内容はこちら(YAMAP)

いかがでしたでしょうか。今回は岐阜が誇る初心者向けの低山や北アルプスの名峰、ステップアップにふさわしい中級の山までご紹介しました。山の王国・岐阜のポテンシャルの高いフィールドで、大自然に癒される山旅をぜひ楽しんでみてください!

この記事のレポーター

土庄雄平
土庄雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。会社員のかたわら、山岳自転車旅ライターとして活動する。飛騨地方の雪山が大好物。春は北アルプス麓の桜に見惚れ、夏は清流と瀑布に涼み、秋は霊峰白山の紅葉に抱かれる。

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詳しくは、公式サイトをご覧下さい。


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