標高日本一?!神秘の洞窟「飛騨大鍾乳洞」に行ってきた!
- あすみん
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飛騨大鍾乳洞の中は年間平均気温が12℃前後となっており、夏は非常に涼しく、避暑地としても人気の観光スポットとなっています(上着が1枚あると良いかもしれません)。
全長800メートルのコースは、登ったり曲がりくねったり、狭い道を通ったり…とまるで洞窟探検のよう!
今回はこの地で長い長い年月をかけて自然が創り出した幻想的な鍾乳洞の見どころをご紹介します。
また、併設されている大橋コレクション館には、この鍾乳洞を発見した大橋外吉氏が収集した世界的な美術品・芸術品の数々(約1000点)のほか、一時テレビなどを賑わした「金塊」も展示されていますので、鍾乳洞探検へ出発する前にぜひご覧ください。
「日本一宿儺鍋(すくななべ)」がお出迎え〜両面宿儺ゆかりの地〜
無料駐車場に車を停め、階段を登るとまず目に飛び込んでくるのが、大きな鍋です!
飛騨大鍾乳洞の入場口前付近には、直径約6mの「日本一宿儺鍋」が展示されています。
この鍋は、体長が3メートル以上あったとされる宿儺(両面宿儺)が、民からの好意で鍋を振る舞われた逸話に由来して作られたのだそう。
両面宿儺(りょうめんすくな)を偲び五穀豊穣を願って開催されている「飛騨にゅうかわ宿儺まつり」で平成13年から19年まで実際に使用されたもので、現在、日本一宿儺鍋は使用されていませんが、毎年11月3日には丹生川支所前駐車場で「飛騨にゅうかわ宿儺まつり」が開催されています。
両面宿儺は、高山市丹生川町に伝わる飛騨の豪族です。「日本書紀」によると、1つの体に顔が2つ、手足が各4本の大男(怪物)として恐れられ、大和朝廷に背いて討伐されたとありますが、飛騨では武勇に優れ地域を守った英雄として語り継がれています。
また、飛騨大鍾乳洞の近くには、両面宿儺が生誕・居住していたと伝わる「両面宿儺洞窟」や両面宿儺を祀る「両面宿儺 遥拝所」があります。駐車場から徒歩1分ほどの場所です。
両面宿儺をモチーフにしたご当地キャラクター「すくなっツー」のパネルも大鍋付近に展示されていますので、ぜひ記念撮影してみてください!
飛騨大鍾乳洞ができるまで
飛騨大鍾乳洞は、1965年(昭和40年)に、大橋外吉氏によって発見された鍾乳洞で、国内約80ヶ所ある観光鍾乳洞の中で最も標高の高い場所(標高900m)にあります。
第1洞〜第3洞まである約800mのコースでは、「ストロー(鍾乳管)」と呼ばれる白く細長い管状の鍾乳石や、「ヘリクタイト」というねじ曲がりながら垂れ下がる、大変珍しい鍾乳石を見ることができます。
現在は海無し県である岐阜県ですが、2億5千万年前までは飛騨地方も海だったため、サンゴやフズリナなどの海洋生物が堆積したことで石灰岩の地層が形成されました。
その後、地殻変動により石灰岩の地層が陸地となり日本アルプスが誕生したそうです。
石灰岩は酸性の水(雨水など)に溶けやすく、長い年月をかけ徐々に溶食されてできた石灰洞(洞穴)には、学術的にも珍しい鍾乳石や芸術的な形の鍾乳石などが多数できました。
鍾乳石とは、石灰岩の主成分である炭酸カルシウムが雨水などにより溶け出し、その水が再び固まってできた石のことで、100年で約1cmしか成長しないそうです(洞内の環境による)。
こうして長い長い時を経て、鍾乳洞の入り口が大橋外吉氏に発見され、観光鍾乳洞として整備されたことで、私たちは神秘的な鍾乳洞を見学することができるようになりました。
大橋コレクション館
入場口でチケットを購入したら、鍾乳洞へ入る前に「大橋コレクション館」を見学することができます。
飛騨大鍾乳洞を発見した大橋外吉氏が集めた、世界的な美術品・芸術品約1,000点を見られるほか、平成19年に強奪された100kgの金塊のうち「戻ってきた金塊」の一部が、強盗前のレプリカと共に展示されています。
※コレクション館内は撮影禁止ですので、ご注意ください。
鍾乳洞内の通年平均気温は12℃前後!?
大橋コレクション館展示場を後にし、鍾乳洞入り口までは連絡通路を渡っていきます。
洞窟の入り口には「只今の洞内温度12.8℃」の表示。外は炎天下だったこの日、キンキンに冷えた空気が外まで漏れ出ていて、とても気持ちよかったです!(個人の感想です)
12℃は一緒に行った息子には寒すぎたようで(半袖短パンでした)、「上着持ってくればよかった〜」と言いながらずっと足踏みをしていました。
夏の鍾乳洞へは、羽織るものを1枚持っていくことをおすすめします!
第1洞 竜宮の夜景・夢の宮殿
飛騨大鍾乳洞は、第1洞〜第3洞で構成されており、その中でも特に見どころが多いのが第1洞だそうです。
洞窟の中で一番天井が高く、美しいと言われているのが、入場してすぐの場所にある「竜宮の夜景」。
青色のライトに照らされた地下水の上には白い鍾乳石が多数見られます。
暗闇に浮かび上がる幻想的な景色は、なんだか静かな海の中にいるような気分にさせてくれました(個人の感想です)。
さらに進んだ先にある「夢の宮殿」と名付けられたエリアでは、まるで宮殿のように育った鍾乳石を見ることができます。この大きさになるまでに一体何万年、何億年かかったことでしょう…。
(洞内の鍾乳石は苔の繁殖を抑えるために青色等のカラーライトでライトアップされています。)
私が第1洞で個人的に一番感動したのは、下写真「ローマの遺跡」と名付けられた景色です。
つらら石が無数に垂れ下がり、立派な純白の石筍もたくさん!奥の方まで続いていました。
しばらく進んでいくと、突如お酒の瓶がずらりと並んだ貯蔵庫が!
この中には、日本酒・焼酎・ワインなどが貯蔵されており、お土産品としても喜ばれているそうです。
ここから先は急な坂や階段、狭い道が多い第2洞、第3洞へ進みます。
急いでいる方や、足腰に自信のない方は、すぐ先の「第1出口」から外へ出ることができます。無理はしないようにしましょう。
第2洞 愛深スポット
第1洞から第2洞に入る際は、地下に作られた45mのトンネル「愛深スポット」を通っていきます。
カラフルなLEDライトに照らし出された幻想的な空間をカップルで通れば愛が深まると言われており、人気スポットとなっています。
「愛深スポット」を抜けると第2洞です。
鍾乳石かと思いきや、暗所で栽培している真っ白な「ウド」が現れた時には驚きました。
ウドの栽培地を通り過ぎると、水の音が聞こえてきます。
なんと鍾乳洞の中に勢いよく滝が流れているのです。
「幸福の滝」と名付けられた滝は、私からは全貌は見えませんでしたが、水飛沫が勢いよく飛んでくるのを感じ、涼しさが更に増しました!
下写真の大きな鍾乳石「王冠」は、昭和46年2月2日に高松宮殿下が御命名されたものだそうです。
周りの鍾乳石含め、とても立派で、私の目には王冠を守る獅子がいるようにも見えました。
いよいよこの先は第3洞。道幅も狭くなり、急な階段を登っていくことになります。
第2出口が用意されていますので、足元が不安な方、お急ぎの方は第2出口をご利用ください。
第3洞 月の世界
狭い階段を登っていくと、そこには「月の世界」が待っていました。
こちらは下から見上げた様子です。
天井が高く、美しい鍾乳石に囲まれた空間にいると、なんだか知らない星を見ているような感覚になります(個人の感想です)。
その他「大仏の耳」など、個性的な形の鍾乳石を見学したら、いよいよ第3出口に向けて、最後の階段を登っていきます。見た目以上に急な階段です。お気をつけください。
終点直前には、赤い鳥居のあるお社が建っています。
こちらは「子宝神社」と呼ばれ、お社の中には、飛騨大鍾乳洞を象徴するシンボルとして総重量3トンの「日本一の男子宝物石器」が祀られています。
この石を撫でると、子宝に恵まれると言われており、全国から来る多くの方々から祈願されるようになったとのことです。
鍾乳洞探検はこれにて終了です!
出口から出たら、通路を駐車場の方へ下っていきます。
冬季は氷の渓谷も出現!
鍾乳洞出口から駐車場までの通路を進んでいくと、窓の外に七福神の石像がずらり。お見送りをしてくれました!
上写真は夏の様子ですが、冬にはこの付近に、谷の水を木々にかけて凍らせた「氷の渓谷」が出現します。
氷の渓谷…1月上旬頃から3月上旬頃
氷の渓谷ライトアップ…毎年2月の土曜日に開催されます。
冬もぜひお越しいただき、見てほしい景色です!
恋人の聖地に認定されました!
通路を下まで下り切った先には、恋人の聖地、の文字。
カップルやご夫婦たちのためのモニュメントや誓いの鐘が設置されています。
このモニュメントは、恋人の聖地に認定されたことを記念して建てられたもので、二人の幸せを願い、フクロウ(不苦労)と若葉(愛が芽生える)が飾られているそうです。
ハート型の「誓いの合鍵」や「誓いの絵馬」がズラリと並ぶキュートなブースになっていました!
駐車場内には、飲食店等のほか、両面宿儺のパネル展会場もあります。
飛騨大鍾乳洞&大橋コレクション館と合わせてゆっくりとお楽しみください!
「飛騨大鍾乳洞」
住所:岐阜県高山市丹生川町日面1147
TEL : 0577-79-2211
定休日:年中無休
入場料:
大人一般(高校生以上) 1,100円
小人(小・中学生) 550円
団体(20名以上) 大人900円 小人350円
営業時間:
4月〜10月 8:00〜17:00(閉館 17:30)
11月〜3月 9:00〜16:00(閉館 16:30)
地球のエネルギーを感じられるパワースポットとも言われているよ!