地元ライターがイチオシ!美濃地方で見られる「世界の絶景」4選
- 土庄雄平
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岐阜のマチュピチュ|世界の絶景を思わせる日本の伝統景観
揖斐川町春日地区にある「上ヶ流茶園 天空の茶畑」。元々、寒暖差の激しい気候を生かし、160年以上にわたって茶の栽培が行われてきた歴史があります。
そんなこの場所で、茶畑を営む農家のお子さんが、ふと「まるでマチュピチュみたい!」と言ったことに始まり、今では「岐阜のマチュピチュ」と認知され、多くのお客さんが訪れるようになりました。
茶畑の駐車場から15分ほど歩くと、山間に抱かれた茶畑を望め、まさに天空の都市を思わせる風景が展開!標高は決して高くないものの、スケールと開放感がたまりません。
この茶畑は今でも春日地区の複数の農家さんの手によって維持されています。異国情緒漂う絶景でありながら、実は日本の奥ゆかしい伝統的な文化景観というのもなんだか素敵ですね。
- 展望台からのパノラマだけでなく、茶畑と同じ高さで眺める風景も素晴らしいです。ぜひのんびり散策してみてください。
岐阜のグランドキャニオン(遠見山)|断崖の絶景を楽しめる名山
加茂郡川辺町にある「遠見山(とおみやま、標高272m)」。もともと知る人ぞ知るマニアックな里山ですが、2021年ごろからたくさんのハイカーが訪れる人気の山になりました。
その理由は、途中の展望スポット・見晴岩から眺める絶景パノラマです。蛇行する飛騨川と高低差のすごい断崖地形は、まるでアメリカの世界遺産・グランドキャニオンのようだと話題に!今では「岐阜のグランドキャニオン」という愛称がすっかり定着しています。
前半は傾斜がキツく、野趣に富んだ道が続き、登ること約30分で見晴台へ。グランドキャニオンの名所「ホースシューベンド」を彷彿させる絶景が広がります。
そして後半は、かつて存在した下麻生城(しもあそうじょう)の歴史情緒に浸りながら、秋葉神社の社がある山頂へ。城址は原形をほとんどとどめていないのですが、城址の池は残っています。晴天が続いても枯れない不思議な池は、周囲の景色を映し出す神秘的なスポットです。
- 往復1時間という手軽さも魅力です。道中の看板もユーモアに富んでいるので現地で確かめてみて!
名もなき池(通称:モネの池)|岐阜を代表する観光スポット
関市板取の根道神社境内にある「名もなき池」。伏流水がもたらす透明度の高い池で、岐阜山間部の自然がもたらす清流の美しさを物語っています。
そんな神社にある小さな池ですが、睡蓮が咲く池の中を鯉が泳ぐ姿は、まるでモネの名画「睡蓮」のようだとSNSで話題に!今では知らない人はいないほど有名な観光スポットになりました。
イチオシのシーズンは睡蓮の花が咲き、池の透明度が上がる5月末頃〜10月。また束の間ですが11月、紅葉と共演するモネの池の風景も筆舌に尽くし難い美しさがあります。
雨が降った後、2〜3日は池の水が濁るのでご注意を。カメラを持参する場合は、200mm以上の望遠レンズを付けるのがベターです。優雅に泳ぐ鯉の姿を上手く写真に収められるかは根気勝負!時間に余裕を持ち、気長に待ちましょう。
- 散策のあとは、近くの餅松屋さんで名物の笹舟巻をいただくのがおすすめです!夏にはかき氷もありますよ。
岐阜のマッターホルン(冠山)|隔絶した県境世界にたたずむ頂
2023年11月に開通したことで話題となった、岐阜県と福井県を結ぶ国道417号「冠山峠道路」ですが、その上を走る冠山峠(旧道)から世界の絶景にアプローチできることはご存知でしょうか?
その名も、奥美濃のマッターホルンの愛称で親しまれている「冠山(かんむりやま、標高1,257m)」です。山頂部の露出した岩がトレードマークで、迫力ある山容を誇っています。
冠山峠の標高は約1,050mなので、冠山山頂との標高差は約200mほどと、登山の難易度としては易しめです。しかし緑あふれる樹林帯や、笹原へと植生が変わる冠平、岩場を乗り越えたあとの山頂など、パノラマの変化は一級品!
天気が良ければ、加賀の名峰・白山(はくさん)が望めることも。また登山口である冠山峠まで続く林道冠山線を見ると、「この道を進んできたのか!?」と感動するはず。岐阜・福井県境に広がる隔絶とした秘境の世界に出会えますよ。
- 林道冠山線の冬季閉鎖(11月末~6月中旬)にご注意を。冠山峠を挟んで向かい側の金草岳もおすすめのハイキングスポットです!
豊かな自然とセンスが光る美濃の絶景
今回は美濃地方で見られる世界の絶景をご紹介しました。どれも豊かな自然に裏付けられながら、歴史文化や人のユーモアも垣間見られるのが魅力です。
また、ハイキングや軽登山を楽しむスポットにももってこい!ぜひ夏に入るまで、気持ち良いシーズンに訪れてみてはいかがでしょうか?